Loading...
お問い合わせ
各種資料
ダウンロード
コラム(お役立ち情報)
コラム(お役立ち情報) 一覧 | ガルバリウム鋼板とは?特長やメリット・デメリット、さらに高耐食な代替材を紹介
更新日:2024年3月29日

ガルバリウム鋼板とは?
特長やメリット・デメリット、さらに高耐食な代替材を紹介

ガルバリウム鋼板は優れた耐久性を持つ表面処理鋼板です。特に屋根や外壁用の建築材料として普及しており、建築物の寿命延長に貢献している素材です。

ガルバリウム鋼板の特長や利点について解説します。

ガルバリウム鋼板とは?

ガルバリウム鋼板とは、めっき層の主成分を55%アルミニウム-亜鉛とした従来の亜鉛めっき鋼板と比較して、3~6倍の耐久性が期待できる表面処理鋼板です。
JIS(日本産業規格)においては、「JIS G 3321:2019 溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板及び鋼帯」にて規格化されております。
ガルバリウム鋼板は、1970年代にアメリカのベスレヘムスチール社が開発し、日本では日本製鉄株式会社が、いち早く商品化しました。


注)本コラムにおける「ガルバリウム鋼板」は、当社の製品を含む特定製品の出所表示ではなく「アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板」について広く用いられている名称として使用しています。

ガルバリウム鋼板のメリット

ガルバリウム鋼板は、アルミニウムの不働態皮膜作用と亜鉛の犠牲防食作用が最もバランスよく発揮するめっき層を持つことにより、長期に渡り鋼素地の錆を防ぎます。

製品のライフサイクルを長くし、頻繁な交換や修理を不要とすることができるため、資源の消費と廃棄物の発生を減少させることが可能です。

また、ガルバリウム鋼板はリサイクルが容易で、使用後の材料を再び資源として活用できます。資源の循環利用を実現する持続可能な建築材料であるため、SDGsへの対応が可能です。この鋼板を使うことで、企業としての社会的な貢献にもつながります。


ガルバリウム鋼板のデメリット

では、デメリットとしてはどういった点が挙げられるでしょうか。対策とともに見ていきましょう。

錆びやすい条件とその原因

ガルバリウム鋼板は高い耐食性を誇るものの、特定の条件下では腐食が進行します。特に、潮風が強い海岸地域や酸性雨が頻繁に降る地域では、錆の発生率が高くなります。

ガルバリウム鋼板に含まれるアルミニウムは空気中の酸素と反応して酸化アルミニウム層を形成し、さらなる鋼素地の腐食を防ぎます。しかしながら、海岸地域の塩分や酸性雨などにより、酸化アルミニウム層が破壊された場合には錆発生の原因となります。

めっき層の割れや剥離の可能性

ガルバリウム鋼板のめっき層は非常に硬いため、曲げ加工などの加工を受けるとめっき層に亀裂が入りやすくなります。また、ガルバリウム鋼板は、めっき層中の亜鉛成分が少ないため亜鉛の犠牲防食作用の効力が一般的な溶融亜鉛めっき鋼板よりも少なくなり、曲げ加工部や切断端面部より腐食が始まる可能性があるため、注意が必要です。

さらに耐久性の高い「高耐食めっき鋼板」が解決

このように、ガルバリウム鋼板にも弱点があります。こういった弱点となる性能をカバーし、さらに高い耐久性を求め開発されたのが、高耐食めっき鋼板です。
高耐食めっき鋼板は、建材だけでなく、住設機器、自動車産業、発電施設など、幅広い分野で使用されています。


その高耐食めっき鋼板の1つが、神戸製鋼所が提供しているKOBEMAG®です。KOBEMAG®は「KOBE Magnesium Aluminum Galvanized Steel」の略で、溶融亜鉛-アルミニウム-マグネシウム合金めっき鋼板を意味します。この鋼板の特長は、マグネシウムを含む合金めっき層です。従来のアルミニウム-亜鉛めっき鋼板に比べて、さらに高い耐食性能を有しています。


KOBEMAG®は、マグネシウムを含む亜鉛、亜鉛-アルミニウム系の被膜の形成により耐食性が向上し、特に塩害地域や工業地帯での使用において長期間にわたり効果を維持します。均一なめっき形成により、めっき割れや剥離に対する耐性も高く、耐久性が大幅に向上していることが確認されています。


また、切断部の端面(エッジ)において優れた耐食性を示しているのも特長の1つです。
通常の鋼板は特に切断端面から錆が進行することが多く、耐久性を維持するためには切断後に端面の処理が必要な場合もあります。


KOBEMAG®は、マグネシウムを含有する亜鉛被膜の自己被膜作用によって端面を覆い、切断後も自動的に保護します。これは、切断端面の防錆処理にかかる追加工程や手間を省略し、コストを削減することにつながります。



KOBEMAG®はめっきの密着性が高いことに加えて、めっき層が硬質で摺動特性が高いことにより、プレス加工の成形性も良好です。めっきが丈夫で加工時にも割れにくく、様々な形状への加工が可能です。そのため建築材料だけではなく、自動車や家電製品など幅広い産業で利用できます。


特に塩害地域においては、高耐食めっき鋼板であるKOBEMAG®の利点がより大きくなります。塩分による腐食は、建築や自動車に限らず様々な広い分野にとって大きな問題であり、強力な防錆対策が必要です。


KOBEMAG®は優れた耐食性によりガルバリウム鋼板を上回る性能を発揮し、塩分による損傷のリスクを大幅に減少させます。塩害地域での使用を考えた際、KOBEMAG®はガルバリウム鋼板の代替品として非常に有効で、幅広い分野における材料選定において、優位性を持ちます。


耐食性が長期間維持されることは、建築物のライフサイクルを長期化させるだけではなく、メンテナンスコストの削減や事業の継続にもつながるため、経済的な利点も大きくなります。

それぞれのめっきの特長を理解して適した鋼板の選択を

ガルバリウム鋼板は、耐久性、経済性、そして環境負荷の低減など、多くの面において優れた建築材料です。耐久性とメンテナンスの容易さにより、建築物のライフサイクルコストを削減し、長期にわたる安定した性能を提供します。


ただし、海岸地域のような塩害環境や長年の酸性雨の影響などにより、ガルバリウム鋼板も錆びるリスクがあります。


その点、高耐食めっき鋼板と位置づけられる鋼板は、より高い耐食性を持ち、塩害環境においても耐食性能が長期間維持されます。


KOBEMAG®は、マグネシウムを含む合金めっき層を形成し、従来のガルバリウム鋼板よりもさらに高い耐食性を実現している高耐食めっき鋼板です。均一なめっき層と美しい外観、優れた加工性は、幅広い分野で新たなめっき鋼板の用途を開く可能性を持っています。


コラム一覧
かんたん1分入力
無料で相談する