【工期短縮・コスト削減】
建築関連メーカーの課題を解決する鋼材・鋼板とは?
建築関連業界は今、資材コストの上昇や労働力不足、環境規制の強化といった、いくつもの課題に直面しています。 ここでは、業界が抱える課題に対し、メリットをもたらす持続可能な解決策を提案します。
建築関連メーカーを取り巻く環境と課題
建築関連業界は、経済動向と社会的要因により様々な課題に直面しています。 まずは、建築関連メーカーが直面する課題について詳しく見ていきましょう。
資材価格の高騰
近年、あらゆる資材価格が上昇しています。鉄鋼やアルミニウムの価格は過去数年間で大きな高騰を見せており、製造コストを圧迫しています。
この過去に例を見ないほどの高騰は、複数の要因によるものです。世界的な経済成長の再燃は原材料の需要を増加させ、また特定地域での生産遅延や供給網の混乱が供給不足を引き起こしている場合もあります。
特に、原材料市場に大きな波紋を広げ、価格変動リスクを高めているのが地政学的緊張です。これらの要因は予測困難な市場状況を作り出し、仕入れ戦略や価格設定に新たな課題を生み出しています。
物流費・人件費の高騰
燃料コストの上昇による物流費の増大も、建築関連メーカーの課題の1つです。
国際的なエネルギー価格の変動は、トラックや船舶などの物流に必要な燃料に直接影響を与え、結果的に物流費用全体を押し上げています。
また、物流業界はドライバーの確保が困難な状況に陥っています。深刻な人手不足は人件費の高騰だけではなく、物流コストを増加させる要因です。
人手不足
前述のように、建築関連メーカーは人手不足に直面しています。これはコストだけではなく、実際の建設現場の作業能力にも影響をおよぼす深刻な問題です。
厚生労働省が発行した『労働経済の分析』では、雇用情勢の動向として建設業は人員が大きく不足している状況が続いており、全産業に対しても大幅な不足が示されています。
人手不足は1つの現場に割り当てられる労働者数の不足にもつながり、建設事業のスケジュール遅延や品質低下を引き起こすリスクを高めています。このような状況は、資材を納入する建築関連メーカーにとっても大きな課題です。
SDGSへの取り組み
建築関連メーカーは企業の社会的責任として、持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みが求められます。
環境保護や労働者の福祉向上、良質な教育の普及など、SDGsの目標は多様ですが、これらは単なる倫理的な理想ではなく、長期的なビジネス戦略としても重要です。持続可能な製品やサービスは市場における差別化の要因となり、新たな顧客層を開拓する機会にもつながります。
前述のような昨今の厳しい経営環境は、SDGsへの取り組みを進める余裕を奪う一因です。特に中小企業にとっては、様々な課題に対処しつつ、環境や社会への配慮を経営に取り入れることは容易ではありません。
しかし、SDGsへの取り組みは将来的なリスク管理やイノベーションへの投資でもあります。建築関連メーカーがSDGsの取り組みを進める際には、短期的な低コスト思考に捉われるのではなく、中長期的な視野を持って持続可能な選択を行うことが重要です。
解決の糸口となる「高耐食めっき鋼板」とは
建築関連メーカーの課題としては、製品の耐久性向上とコスト削減が挙げられます。これらの課題に対応する手段の一つとして高耐食めっき鋼板があります。
高耐食めっき鋼板は、主成分の亜鉛にアルミニウムとマグネシウムを含んだ合金めっきが施されており従来の溶融亜鉛めっき鋼板よりも数倍から数十倍の耐食性を備えています。優れた耐食性は建築物を長期間にわたって様々な厳しい環境要因から守り、メンテナンスコストの低減にも有用です。
また、高い耐食性に付随する耐久性は、持続可能性を備えた建築材料であることも意味しています。高耐食めっき鋼板を用いることで、環境への配慮と経済的利益の両立が可能です。
高耐食めっき鋼板の特長やメリット、耐食性の仕組みなどはこちらで詳しく紹介しています。
KOBEMAG®がもたらすメリット
KOBEMAG®は、神戸製鋼所が提供する高耐食めっき鋼板です。主成分となる亜鉛に6%のアルミニウムと3%のマグネシウムを含む合金めっきを施すことで、高い耐食性を有しながら良好な加工性と美しい外観を実現しています。
建築材料にKOBEMAG®を使用することで、次のようなメリットが生まれます。
工程短縮とコスト削減
KOBEMAG®は、製造工程で事前にめっき処理が施されています。優れた耐食性を有しており、上手く活用することで工程を短縮することができる可能性があります。
また、KOBEMAG®は無塗装でも高い美観性を有していることから、部位、部材によっては塗装工程を省略することが可能であり、その他の後処理が不要となることでSDGsへの貢献に加え、工程の短縮とコスト削減が実現できます。ハンドリングの過程で生じる疵が目立たないことや、亜鉛の犠牲防食機能により風雨、結露による錆から加工品を守ることも大きなメリットです。
一方「新3号建築物」は、これまで4号特例でカバーされていた建物より大きな建物に対して適用され、従来に比べ厳格化された安全基準を満たす必要があります。塗装を施す場合でも、KOBEMAG®の基材となるめっき層は塗装後の耐食性を向上させます。
(出所:KOBEMAG®製品カタログ)
長期的な経済性と環境への配慮
KOBEMAG®は耐久性が高く、メンテナンスコストを低減させ、製品寿命を延ばし、ライフサイクルコストの低減にもつながります。
また、KOBEMAG®が有する長寿命性は、リソースの使用を減らし、環境負荷低減にも貢献します。
加工性の高さによる製品価値の向上
優れた加工性を持つKOBEMAG®は、曲げ加工や絞り加工を施してもめっき層が剥がれにくく、長持ちするのが特長です。これは、建築関連メーカーの課題となる生産効率と製品品質の両立を実現する手段の一つとなります。
認定取得による信頼性の向上
KOBEMAG®は、高い品質と性能が公的に認められています。
日本住宅・木材技術センターから「防錆・防食」に関する性能認定を受けています。これは建築材料としての耐久性と、長期にわたる性能維持を証明するものです。住宅の接合金物の素材としても最適です。
また、一般財団法人日本建築センターの「建設技術審査証明書(建築技術)」を取得しております。「後めっき」に比べて優れた耐食性を有しており、「後めっき」の1/6程度の付着量で同等以上の耐食性を実現させることから、めっき付着量の低減(省亜鉛)が可能となり、曲げ加工部並びに切断加工部においても、「後めっき」と同等以上の耐食性を有するめっき鋼板であることが証明されています。
これらの認定は、KOBEMAG®を使用した建築材料の信頼性と安心感を提供し、材質選択において採用を促進します。
(出所:KOBEMAG®製品カタログ)
建築業界の新しい方向性―KOBEMAG®
KOBEMAG®は、建築関連メーカーが抱える様々な問題に対して解決策を提供する素材です。
まず、加工しやすく耐久性が高いという特性は、高品質な製品の高効率生産につながります。また、KOBEMAG®は部位、部材によっては塗装や後めっきと言った後処理を省略できます。加工工程のコスト削減は企業の経済的負担を軽減するだけではなく、CO2排出量を減らすことで環境負荷も低減させます。
これらの特性は、多くの課題を抱える建築業界において新たな方向性を探る手がかりの一つです。高耐食めっき鋼板KOBEMAG®について、詳しくはこちらをご覧ください。