ガルタイト(ガルファン)鋼板とは?
代替可能な高耐食めっき鋼板を紹介
ガルタイト鋼板は高い耐食性を有する表面処理鋼板です。従来広く流通していた製品名にちなんでガルファンとも呼ばれています。加工性などバランスの取れた性能を有していることから、建築材料をはじめ多種多様な用途に採用されています。
ガルタイト鋼板の特長や利点について解説します。
ガルタイト(ガルファン)鋼板とは?
ガルタイト鋼板とは、めっき層の主成分を亜鉛-5%アルミニウムとした従来の亜鉛めっき鋼板と比較して、2~4倍の耐久性が期待できる表面処理鋼板です。
JIS(日本産業規格)においては、「JIS G 3317:2019 溶融亜鉛-5%合金めっき鋼板及び鋼帯」にて規格化されています。
ガルタイト(ガルファン)鋼板の特性
ガルタイト鋼板には次のような特性があります。
優れた耐久性
ガルタイト鋼板は、亜鉛の犠牲防食作用とアルミニウムの不働態皮膜作用を発揮するめっき層を有することにより、鋼素地の錆を防ぎます。
加工性が高い
ガルタイト鋼板のめっき層は、柔らかく、曲げ加工などで亀裂が入りにくいため、一般的な溶融亜鉛めっき鋼板と同等の加工部耐食性が得られます。
また、ガルバリウム鋼板と比較して、耐酸性、耐アルカリ性に優れます。
注)本コラムにおける「ガルバリウム鋼板」は、当社の製品を含む特定製品の出所表示ではなく「アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板」について広く用いられている名称として使用しています。
高耐食めっき鋼板との比較
高耐食めっき鋼板は、亜鉛、アルミニウムおよびマグネシウムを含む合金めっきを施した鋼板で、ガルタイト鋼板よりも高い耐食性を持っています。
高耐食めっき鋼板はアルミニウムのほかにマグネシウムも含まれているため、亜鉛による犠牲防食性に加えてマグネシウムを含む亜鉛、亜鉛-アルミニウム系の保護被膜も形成され、高い保護性能を維持することが可能です。
また、コスト効率に関しては、使用期間によって高耐食めっき鋼板とガルタイト鋼板のどちらを選ぶかが分かれます。一般的にガルタイト鋼板は初期コストが低く、高耐食めっき鋼板は高い傾向にありますが、高耐食めっき鋼板は長期的な耐久性がありライフサイクルが長く、頻繁なメンテナンスや交換が不要です。そのため、長期間の使用を想定する場合は、高耐食めっき鋼板のほうが、コスト効率が高くなります。
鋼板のライフサイクルの長さは、環境への影響にも関係するものです。高耐食めっき鋼板は耐久性が高く長期間使用できるため、廃棄物の減少や製造過程における環境負荷の低減にもつながります。
このように、ガルタイト鋼板と高耐食めっき鋼板を比較すると、条件によってそれぞれに利点があります。そのため、最終的な選択は製品の設計や用途の要件に基づいて決定することが必要です。
さらに高い耐食性を実現する高耐食めっき鋼板「KOBEMAG®」
亜鉛と5%アルミニウムの合金めっき鋼板であるガルタイト鋼板は、めっき層に柔軟性があるため、複雑形状に加工された製品においても長期にわたる耐久性を有しています。
しかし、より高い耐食性を求めるなら、高耐食めっき鋼板がおすすめです。
神戸製鋼所のKOBEMAG®は、ガルタイト鋼板の5~8倍の耐食性を持つ、優れためっき鋼板です。耐食性だけではなく、加工性と耐疵付性にも優れ、建築から自動車産業まで多岐にわたる用途に適しています。
また、長いライフサイクルによって耐久性とコスト効率のバランスを実現し、環境負荷の低減にも寄与します。
耐食性、加工性、そして美しい外観、いくつもの要素において優れた高耐食めっき鋼板、KOBEMAG®の詳細については、ぜひ一度お問い合わせください。